定冠詞をともなって名詞化したpiù/meno

イタリア語音声の書き取りをしていて引っかかった表現。

Di storie strane in giro ce ne sono parecchie, soprattutto quando si parla di personaggi famosi e di morti misteriose. Si chiama dietrologia o teoria del complotto. Qualche volte ci prende e il più delle volte no.

(試訳)
奇妙な話というものは無数に存在する。特に有名人や謎の死にはつきものだ。これを陰謀論と呼ぶ。それが真実であることも時にはあるが、稀である。

上記文中のil piùの使い方がわからず、坂本文法をひも解きました。その解説と例文を引用します。

più/menoが定冠詞をつけて男性単数名詞として用いられると、それぞれ「大部分、いちばん大切な(難しい)部分」と「最小部分、最小の被害、いちばん易しい部分」などを意味する。

Si è fatto il più. (=la parte maggioreまたはla parte più difficile)
大部分は済んだ。
Il più è cominciare. (=la cosa più importante)
いちばん大切なことは始めることだ。
Questo è il meno che si possa fare. (=la minor cosa)
これはなし得る最小のことだ。
Chi ha fatto il più può fare il meno.
(ことわざ)難しいことができる人は易しいことはできる。

また、男性複数名詞としてのi piùとi menoはそれぞれ「大多数の人」「少数の人」を意味する。

I più tirano i meno.
(ことわざ)多数は少数を引き寄せる。
I più non approvano.
大多数の人々は承認していない。

イタリア語で書かれた文法書もいくつか探してみたけれど、この文法事項についての記述はみつかりませんでした。il piùを名詞として扱っている文を検索してみたけれど、il piùのあとに名詞が続く文ばかりがひっかかってしまい、そのものずばりの表現が見つからず^^;

(追記)
辞書でpiùを引いたら、ちゃんと名詞としてこの用法が出ていました。

1)大部分、最も大切なこと(もの)、最も難しいこと:Il più è fatto. 大部分は終わった。山は越えた。/ Il più è incominciare. 最初が肝心だ(最も難しい)。
2)(数学の)プラス符合、プラス
3) (定冠詞の複数形を伴って)大多数の人:I più hanno votato contro il governo.大多数が与党に反対の投票をした。

もちろんmenoの方にも。

1)最小のこと:Questo è il meno che si possa fare. (これがなし得る最小のことだ→)少なくともこれくらいのことはできる;これをやっただけでは十分ではない。
2)(数学の)マイナス符合
3) (定冠詞の複数形を伴って)少数の人々:I presenti erano i meno.出席者は少数だった。

 

Annunci

Noi + si impersonale

Wikipediaのトスカーナ方言の解説にNoi + Si impersonaleという項がありました。その説明には、「一人称複数の意味ではsi+3人称単数の動詞の形をとる」とありました。例文として次の2つが挙げられています。また「あらゆる過去形をつくることができまるけど、どんな動詞でも助動詞はessereをとる。過去分詞の語尾は、複合過去でessereをとる動詞は主語と性数一致させ、avereをとる動詞は-oで終わらせる」とあります。これは通常のsi impersonaleの複合過去のルールと一緒。

Noi si va a mangiare.
S’è mangiato al ristorante.

「現代イタリア文法」(坂本文法)の説明では、

動詞の非人称は、ときとして1人称複数を表すこともある。また、ときとして主語のnoiをつけることもあるが、これはトスカーナ方言的用法である。

Si andò tutti insieme. (=Noi andammo tutti insieme.)
私たちはみな一緒に行った。

Noi si pranza all’una.
私たちは1時に昼食をとる。

この説明だと、si+impersonaleを1人称複数の意味で使うことは通常のイタリア語文法の範囲内で、noiを加えて用いるのがトスカーナ方言と読めるような気がします。

「何が何でもコミュニケーション」でもLezione 17でこの文法項目を扱っていました。

非人称のsiが1人称複数noiの意味で使われることもあります(特にトスカーナ地方で)。

Oggi si va (andiamo) tutti alla festa di Luigi.
今日はみんなでルイージのパーティーに行く。

Si è bevuto e parlato (abbiamo bevuto e parlato) fino a notte tardi.
私たちは夜が更けるまで飲んで、話した。

ここまで3つの説明を読んでいて、また疑問。やっぱりNoi+si impersonaleは目的語のある動詞では使えないのでしょうか?目的語のある文だとまた複合過去にするときに色々問題がありそう・・・。いま読んでいる Camilla e il rubacuori という小説(これはエミリア=ロマーニャが舞台)で見つけた文章でも目的語がありませんでした。

…. noi si andava in giro per lavorare…
私たちは仕事のために出回っていた

Camilla e il rubacuori -Giuseppe Pederiali

以前mariaさんがコメントに残してくれたRossovermiglioからの引用文では目的語があります。

senza che noi si sappia nemmeno quando e come accade
いつ、どのように起こるのかさえ気づかなくても

Rossovermiglio -Benedetta Cibrario

私の友人が示してくれた文もNoi si mangia la pizza.という目的語ありの文でした。

理由と目的のche

「何が何でもコミュニケーション」を読んで記録しておきたくなったcheの用法です。

例文はラジオ講座のテキストからとりました。

1.もう遅いから急いで!
2.私たちのことまっているから、ほら急いで!
3.ほら、遅刻しているのだから、もたもたしないで!
4.走れば間に合うよ!

この文をイタリア語にするには、1〜3は「〜だから」と文をつなげるためのcheを、4は目的節を導くcheを使うのだそうです。

1.Sbrigati che è tardi!
2.Dai, sbrigati che ci aspettano!
3.Forza, dai, muovetevi che siamo in ritardo!
4.Corriamo che ce la facciamo!

日本人的発想(いや、私だけ?)だと、cheを使わずに「急いで。もう遅いから!」と二つの文にブチッと切ってイタリア語に変換したくなってしまいます^^;

緑の辞書には、接続詞のcheの欄に「原因節を導く場合che+indic.で; ただし否定の原因節を導くnon già cheでは接続法が用いられる」との解説があり、例文として次の二つが挙げられています。

Copriti che fa freddo.
寒いから服を着込みなさい。

Non già che io voglia rifiutare.
私は断りたいからではありません。

また、「目的節を導く場合はche+cong.ivoで」とあるので、上記4のfacciamoも接続法なんですね。辞書では例文として、以下の3つが挙げられています。

万事うまくいくように取り計らってくれ
Fa che tutto proceda bene.

けがをせぬように気をつけてください。
Badi che non si faccia male.

君のことをわかってもらえるように、彼に話しなさい。
Parlagli in modo che ti capisca.

他動詞に見られる、再帰代名詞との使用

昔のNHKイタリア語講座応用編「何が何でもコミュニケーション!」(鈴木マリア・アルフォンサ先生)のテキストを読んでいたら、先日”Io non ho paura”を読んでいて、「なかなか慣れないな〜」と嘆いていた他動詞の再帰代名詞を使った用法の解説があり、この形式を使う意図がわかりやすく書かれていたのでこちらに記録しようと思います。

通常、再帰動詞ではない他動詞も、強調のために再帰代名詞とともに使われることが多いです。それは肯定的な意味(楽しみにしていること、など)、あるいは否定的な意味(大変だったこと、など)の両方を表現します。

Oggi dopo il lavoro mi bevo una birra.
(今日は仕事が終わったら、ビールを一杯飲みます。)

Adesso ti prendi una sgridata dal capo!
(上司に叱られるぞ!)

Mi mangio un bel paninio.
(おいしいパニーノを食べます。)

Vestito così, ti prendi un bel raffreddore.
(そんな服装じゃ、大変な風邪をひくぞ。)

複合過去はessereと作る。主語を過去分詞と一致させる(ただし、まれに、過去分詞の語尾を目的語に合わせることもある)。

Valentina si è comprata un vestito firmato.
(ヴァレンティーナはブランドものの服を買った。)

Marco si è comprata una casa al mare. (マルコは海に近い家を買いました。)

「何が何でもコミュニケーション!」は再放送時2008年のテキストが本棚の奥底に眠っていました。放送を聴いた記憶は1回もないのに、テキストだけは律儀に買っていたみたいです。今日からパラパラ中身を見はじめました。すごく内容の濃いテキストでこれを活用しない手はない!としばらくイタリア語の勉強はこのテキスト中心にやっていこうと思います。今のところ、テキストを音読し、指示された問題をやってとオーソドックスにやっていますが、取り上げられている表現は口からサラ〜っと出てくるくらいに身につくまでやりたいです(今のところ、決意は固い!)。

avere a che fare con

avere a che fare conというイディオム、読書でとってもよく目にするのに、きちんと意味の確認をしていませんでした。

今日やっと重い腰を上げて辞書で例文検索したので、形式の上から3つのタイプに分けてここに記録しておきます。

一番基本的な意味は「con以下の人、物事と関係がある」です。

【1】人が主語で、”avere a che fare con+人”の形をとり、「(人)と関係がある」

Non voglio avere a che fare con colui.
あの男とは何のかかわり合いももちたくない。

Nessuno vuole avere a che fare con me.
誰も私の相手をしてくれない。

【2】人が主語で、”avere a che fare con+物事”の形をとり、「物事と関係がある」

Non ho niente a che fare con quel lavoro.
私はその仕事とは何の関係もない。

Io non ho nulla a che fare con quella faccenda.
それは私の与り知らぬことだ。

Io ho poco a che fare con le scienze naturali.
私は自然科学には縁遠い人間です。

【3】物事が主語で、”avere a che fare con+人”の形をとり、「その事柄は(人)と関係がある」

Non ha niente a che fare con me.
それは私の関知するところではない。

Ciò non ha niente a che fare con la nostra famiglia.
それは当家とは関係ありません。

☆☆☆
これは【1】のタイプだけど、若干マフィ○系例文?

Lo sai con chi hai a che fare?
あまり人をなめるなよ。

直訳すると、お前は誰と関係しているのか分かってるのか?「誰に向かって口きいてんだ!おら〜!」ってな感じ?

先日読み終えたAndrea De CarloのPura vitaに出て来た、a che fare conを使った部分と下手な和訳です。

P.32

Perché hai avuto a che fare con due persone, invece che con un fronte unico compattato dalla complicità e dall’omertà e dalla distribizione.

(試訳)君の両親は別居しているわけで、共犯意識や沈黙を守ったり、配分したりっていう夫婦間での擦り合わせをしている両親の元で暮らしていたわけじゃないでしょ。

P.59

Perché quasi tutte le persone con cui ho a che fare sono dei pastori-coltivatori, invece.

(試訳)だって、僕が今まで関わってきた人ってたいていは羊飼いか農業をしている人だもん。

P.121

avevano altri amici con cui io non avevo niente a che fare.

(試訳)彼らの友だちは、僕とはなんの関係もない人だった。

再帰動詞の相互的用法について

イタリア語の作文でよく間違えちゃうのでメモしておきます。

再帰動詞の用法のひとつに「相互的用法」というのがあり「お互いに〜しあう」の意味になる。

Si telefonano spesso. 彼らはお互いによく電話をしあう。
Si amano tanto. 彼らはとても愛し合っている。

このとき、動詞の行為は、動詞と同じ人称の目的語に影響を及ぼす。

では、次の文をイタリア語にするとどうなるか?

同僚たちはよく協力しあっている。
彼らは情報を共有している。

日本語のほうに、「〜し合っている」というニュアンスがあるので、つい私は再帰動詞の相互的用法を使うのかなと思い、こう書いてしまう。

Si collaborano bene i colleghi.
Si condividono degli informazioni.

が、これは間違い。再帰代名詞のつもりで書いたsiはイタリア人からすると、なんでここにsi passivanteがあるの?と思うらしい(これでは目的語siに動詞の行為は及んでいないので再帰動詞の用法とは思えない)。

意味の面からみれば、元の動詞collaborareやcondividere自体に「協力する」「共有する」と「〜し合う」の意味があるから再帰代名詞は不要と言えるかもしれない。

文法の面からみれば、collavorareもcondividereも「人」を目的語にはとれない。「同僚と協力する」はcollavoare con i colleghiであって、con i colleghiの部分は直接/間接目的語にはならないから再帰代名詞に置き換えられない。

「同僚と情報を共有する」もcondividere degli informazioni con i colleghiであって、con i colleghiの部分は直接/間接目的語にはならないから再帰代名詞に置き換えられない。

なんでもかんでも「〜しあう」とあったら再帰動詞の相互的用法を使えばいいのではない。主語と同じ人称の目的語に動詞の行為が及ばなくてはならない。たとえば、I colleghi si aiutano. だったら「同僚は互いに助け合う」の意味になる。

punto e virgola

“;” punto e virgolaって何?と尋ねると、「puntoより短かく、virgolaより長い区切り」と説明されることが多いのですが、まだよく使い方を分かっていません。

いくつか使い方があるのですが、その中に「列挙する」というのがあります。

語学学習仲間に貸してもらった本にもこの意味でpunto e virgolaが使われている部分があったので、ここに記録しておきます。

主人公のルームメイトが映画を撮るという話をしていたのですが、その計画は前進していない様子。経過を尋ねても、帰ってくる答えは言い訳ばかり、という場面です。ここでは言い訳を色々列挙しています。

“Adesso no, perché prima devo fare un viaggio che mi serve per vedere delle cose; adesso no, perché sto aspettando che esca la versione nuova di un software per il montaggio; adesso no, perché è un periodo strano…”

Il tempo che vorrei -Fabio Volo

(試訳)

今はまだ、まず旅に出て必要なものを見てこなきゃいけないから。今はまだ、編集用ソフトの新しいバージョンが出るのを待ってるから。今はまだ、時期がよくないから。

もし、私が上の内容を作文しようと思ったら全部puntoでぶつ切りにしちゃいそうです。

イタリアの友達が提示してくれた文

Dai paesi alle città; dalle pianure alle colline; dalle città di mare a quelle rurali. L’esigenza di una buona rete di distribuzione di beni e servizi, al giorno d’oggi, è sempre più necessaria per mantenere alto il tenore della vita.

(試訳)

田舎から都市まで、平原から丘陵地帯、海沿いの街から農村地帯まで。今日、よい生活の質を維持するためには、商品やサービスを隅々まで行き渡らせる供給網がとくに必要とされている。

これも逆に日本語文をイタリア語に訳せと言われたら、punto e virgolaを使って表現しよう、という発想は出てこなそうです^^;